越境学習のススメ

最近よく『越境学習』という言葉を耳にします。
これは一般に普段の環境と異なる環境に身を置き働く体験をすることを表します。
あるいは自分の専門分野から離れ、違った事柄を勉強してみることも該当するでしょう。
いずれにせよ日常のルーティーンから離れて新たな経験をすることを意味します。

専門分野を深掘りしていくことはもちろん大切ですが、ともすれば近視眼的になり、視座が下がってしまうという危険性があります。さらに自分の専門分野や好みを軸に活動しているとつい心地の良い意見ばかりを選択しがちになる点も気をつけなければいけません。例えば読書を例にとると、共感できる内容を書いてある書籍ばかり読んでしまいがちです。これは自分の考えを言語化されたものに共感することで安心感を得ているという側面もあります。しかしこのような読書しかしていないと異なった視点の存在を忘れてしまうリスクがあります。

成長に必要な体験はちょっとした不快感を感じるようなものではないでしょうか?不快なものには自分の既存の価値観と異なった要素が含まれいてる可能性が高いのではないかと思います。

新たなものの見方を知るには自分の価値観と違ったものに触れるのが近道です。ここで不快だからといって新しい視点を拒絶してしまうと今までの自分と何ら変わりません。

不快に感じた理由を客観視しながら冷静に分析していくとかなりの割合で自分に欠けているもの、必要なもののヒントが隠れているように感じます。こうした違った意見に触れるということも貴重な越境学習の場だと思います。決して心地良いわけではなく、ともすればストレスになりうる体験こそが自分の目線を広げてくれる一番の特効薬になるのかもしれません。こうした意味で意識的に様々な形で越境学習に取り組む習慣が必要だと感じています。

専門分野と違ったことをするなんて時間の無駄だと思われるかもしれません。作業効率だけを考えると確かにそうかもしれませんが、中長期的なスパンでみると必要不可欠な学習方法ですので、ぜひ『越境学習』に取り組まれてみてはいかがでしょうか?